RFP(提案依頼書)の書き方ガイド:テンプレート付き
システム開発を発注する際、「何を伝えればいいかわからない」という悩みをよく聞きます。その解決策がRFP(Request For Proposal:提案依頼書)です。
RFPを作成することで、開発会社との認識のズレを防ぎ、正確な見積もりを引き出せます。本記事では、実践的なRFPの書き方とテンプレートを提供します。
RFPとは?なぜ必要なのか
RFPの定義
RFP(提案依頼書)とは、システム開発の目的・要件・条件を文書化し、開発会社に提案を依頼するためのドキュメントです。
❌ RFPなしで発注した場合
- • 口頭説明だけで要件が曖昧
- • 開発会社ごとに理解が異なる
- • 見積もりの精度が低い
- • 後から「聞いてません」問題が発生
- • プロジェクト失敗率:42%
✅ RFPありで発注した場合
- • 要件が文書化され明確
- • 開発会社全員が同じ情報を持つ
- • 見積もりの比較がしやすい
- • 契約後のトラブルが激減
- • プロジェクト成功率:78%
RFPに必須の10項目
プロジェクト概要
記載内容
- • プロジェクト名
- • 発注企業名・業種
- • 担当者名・連絡先
- • プロジェクトの背景と目的
例:「現在Excelで管理している顧客情報をシステム化し、営業効率を30%向上させたい」
現状の課題
記載内容
- • 現在の業務フロー
- • 具体的な問題点
- • 数値データ(処理時間、エラー率など)
例:「顧客情報の検索に平均12分かかり、重複入力ミスが月20件発生している」
システム要件(最重要)
機能要件をMust(必須)、Want(希望)、Option(余裕があれば)に分類
例:顧客管理システム
【Must】
- • 顧客情報の登録・検索・編集
- • 案件管理(進捗ステータス管理)
- • 営業レポート出力(Excel/PDF)
【Want】
- • メール自動送信機能
- • モバイルアプリ対応
【Option】
- • AI による売上予測
非機能要件
記載内容
- • ユーザー数:同時アクセス50名まで想定
- • データ量:顧客データ10,000件程度
- • レスポンス:検索結果は3秒以内に表示
- • 稼働時間:24時間365日稼働
- • セキュリティ:SSL対応、バックアップ毎日実施
予算と納期
予算
範囲で記載するのがベスト
例:300万円〜500万円
納期
希望納期と絶対納期を記載
例:2026年6月末(必須)
注意:予算を隠すと、相場より高い見積もりが来る可能性があります
提案に含めてほしい内容
- • 開発体制(チーム構成、担当者のスキル)
- • 開発スケジュール(工程ごとの期間)
- • 使用技術・ツール
- • 費用内訳(工程別の見積もり)
- • 保守・運用体制
- • 類似案件の実績
選定基準
例
- • 価格(30%)
- • 技術力・実績(30%)
- • 提案内容の質(20%)
- • 保守体制(10%)
- • レスポンスの早さ(10%)
提案スケジュール
- • RFP配布日:2026年3月1日
- • 質問受付期限:2026年3月8日
- • 提案書提出期限:2026年3月22日
- • プレゼン日:2026年3月25-26日
- • 選定結果通知:2026年3月29日
契約条件
- • 契約形態:請負契約 or 準委任契約
- • 支払い条件:着手金30%、中間30%、納品40%
- • 著作権:発注者に帰属
- • 瑕疵担保期間:納品後3ヶ月
- • 秘密保持契約(NDA):必須
その他の条件
- • 打ち合わせ頻度:週1回(オンライン可)
- • ドキュメント:要件定義書、設計書、マニュアル作成
- • テスト:受入テスト(UAT)実施
- • 研修:操作説明会の実施
RFP作成の5つのコツ
💡 コツ1:「なぜ」を明確にする
「顧客管理システムを作りたい」ではなく、「営業効率を30%向上させるため」と目的を書く
💡 コツ2:数値で具体化する
「速くしたい」ではなく、「現在の検索時間12分を3分以内に短縮」と数値で書く
💡 コツ3:優先順位を付ける
全ての機能を「必須」にすると予算が膨らむ。Must/Want/Optionで分類
💡 コツ4:画面イメージを添付
手書きやExcelで画面イメージを作ると、開発会社の理解度が大幅に上がる
💡 コツ5:質問を歓迎する
「質問は遠慮なくしてください」と明記。質問が多い会社ほど真剣に検討している証拠
よくある失敗パターン
❌ 失敗例1:曖昧な表現
NG:「使いやすいシステムにしたい」
→ 人によって「使いやすい」の基準が違う
OK:「営業担当者が3クリック以内で顧客情報を検索できる」
❌ 失敗例2:技術指定しすぎ
NG:「React + Node.js + PostgreSQLで作って」
→ 開発会社の強みを活かせない
OK:「技術選定は提案してください(理由も添えて)」
❌ 失敗例3:予算を書かない
NG:「予算は相談して決めたい」
→ 開発会社が適正価格を提示しにくい
OK:「予算は300万円程度を想定しています」
❌ 失敗例4:納期が短すぎる
NG:「来月までに完成させて」
→ 開発会社が辞退するか、品質が低下
OK:「最短納期も提案してください」
まとめ:RFPがプロジェクト成功の鍵
RFP作成は面倒に感じるかもしれませんが、プロジェクト成功率を2倍に高める効果があります。要件を文書化することで、自社の中でも認識が統一され、開発会社との認識のズレも防げます。
最初から完璧なRFPを作る必要はありません。開発会社と一緒にブラッシュアップしていけば大丈夫です。
弊社では、RFP作成のサポートも行っています。「何を書けばいいかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。